住所:東京都
挑戦し続けるチャレンジャー、二神浩晃さんからメッセージをいただきましたのでご紹介します。
二神さんは学生時代、ワンダーフォーゲル部に所属。今から8年前、20数年ぶりに恩師を囲む会に参加されました。そこで当時鬼顧問と恐れ、一度も褒められた記憶がない偉大な先生に、あの頃のように背筋をピンとし、温めてきた計画を切り出しました。
「すみません。ぼくの計画について、聞いていただけますか」
返ってきた言葉は、「大いにやりなさい」でした。先生に認められ、背中を押された瞬間、このプロジェクトは始まりました。
その後、先生は他界されましたが、今でも二神さんの心の中には応援してくださる先生の姿があります。「大いにやりなさい」今もその言葉を胸に走り続けています。
「自分でみつけた遊びをやる」
二神浩晃
海から山頂までひと筋の川をたどって走る
ZEROtoSUMMIT(ゼロサミ)という遊びをやっている。
全国各都道府県の最高峰まで海から走る 『ゼロサミ47』 を2016年からはじめて今年で8年目。昨年までに41座を走り終え、年内には完遂の予定だ。
大会とか出てるんですか?
走っていると話すとたいていそう訊かれる。
説明すると長くなるので、ひとりで好きなように走ってますと当たり障りのない答えで済ませる。
あちこちの川ぞいをひとりで走っている。
たまに口が滑ってそのことを話すと、ほかにもやってるヒトはいるんですかときまって返される。
そんなとき、ちょっとだけ胸を張ってこう答える。
「いいえ、世界でぼくひとりだけです」
探検や冒険に憧れていた。
だから独自のランニングスタイルをどうにか確立したい。
だけどぼくが思いつくことはどれも誰かがすでにやっている。
PC画面をぼんやり眺めながら、ふと、雨粒になったつもりで山頂から沢、そして川を下ってみた。
未知の集落が次々と現れ、名だけは知る町をいくつか通過して海にたどり着いた。
これを海から走ればいいのではないか。
そうだ、ルートではなく行為を新たにつくればいいのだ。
その瞬間、ゼロサミが誕生した。
誰からも頼まれていないし、誰とも競っていない自分だけの遊び。
ぼくが走りたいと思った川筋がゼロサミのルートだ。
地図と睨めっこして、山頂に落ちた雨粒が海に注がれるまでのラインを突き止め、それを河口から走る。
海にタッチし、振り向いたその瞬間からゼロサミは始まる。
今年9月、47座目に国内最長コースの長野篇を走る。
日本海から信濃川をたどって奥穂高岳まで420kmを走り、十代の青春を過ごした松本で有終の美を飾る予定だ。
思い出の詰まった信州を駆け抜けるのが今から楽しみである。
2024年からはいよいよ海外篇の始動だ。
まずは日本と同様に、韓国全9道の最高峰まで海から走りたい。
ハングル語も猛勉強中である。
韓国を走ることで日本がより見えてくるのではないかと思っている。
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