住所:明石
〝人力車を通して人々を笑顔にしたい〟これは、今年3月に亡くなった植村直己冒険賞の受賞者であり、南極を目指して挑戦し続けた『夢を追う男 プロ冒険家 阿部雅龍』さんがずっと大切にしてきた想いでした。そして今回来館してくださったチャレンジャーは、その阿部さんが南極冒険が終わった後、一緒に冒険の約束を交わしていた福浪弘和さん(37歳:兵庫県)です。結局、その夢は叶うことはありませんでしたが福浪さんは今、阿部さんの想いも人力車に乗せて走っています。
福浪さんは、たまたま東京で人力車に乗った時、こんな世界があるのかと感動。和食料理人だった福浪さんは、お店に来るお客さんに人力車に乗ったことがあるか尋ねたところ、ほとんどの人がないと答えた。それなら自分が人力車をひいて人々を乗せたい!と人力車を購入し、休みの日や仕込みの間に走らせていました。その頃、SNSで阿部さんともつながったそうです。自分も全国に出向いて、人々を人力車に乗せたい!と、2022年3月13日に地元・兵庫を人力車で出発、2年8カ月走り続けています。
関東~山梨~南へ向かい、四国、九州沖縄、離島も回りました。見たことがない乗り物に、みなさんは興味津々。特に小学校を訪ねると、子どもたちは大喜びで代わる代わる福浪さんの人力車に乗りました。ある学校では、先生が、「こんな経験はなかなかない、今日は授業をつぶしてもいいので一日中乗せてやってください」と。
福浪さんの目的として、47都道府県の県庁所在地を制覇があります。残り21か所。行く先々で出会った人々を乗せていたら2年以上を費やすことになってしまっています。しかし、その分、どれほど多くの人々が笑顔で人力車に乗ったことでしょう。
これから北陸から東北に向かいます!と福浪さん。え?これからますます寒くなるのに⁉ 阿部さんの出身地である秋田県にも立ち寄り、来年の夏、北海道を周る予定です。
走りながら、福浪さんには新たな夢が浮かびました。〝島めぐり〟です。日本にはなんと1万以上の島があり、その中で上陸できる島は、約440島。島に魅せられた福浪さんは本州を走りながら頭の中で計画が膨らんでいるようです。
本日は、人力車日和☀
冒険館に来館されたお客さまをたくさん乗せてくださいました。子どもたちは、初めての乗り物に最初はドキドキ感が隠せませんでしたが、乗っているうちにワクワク、一周して戻ってくるとみんなニコニコです。貴重な体験をしましたね!
これからもたくさんの人々を乗せ、笑顔の輪がつながっていくことでしょう。旅が終わったらまた会いに来まーすと出て行かれましたが、後から聞くと、館を出た後も、多くの方々を乗せていたようです。これではなかなか前に進まないのも納得です。
これから厳しい寒さがやってきます。どうぞ体に気を付けて走り続けてくださいね。
人生初の人力車、ありがとうございました!(実は、合間に乗せていただきました)