洞窟探検は、ドキドキやワクワク、感動して楽しいことばかりではなく、「痛い、寒い、苦しい」などこの世の句のほとんどが洞窟の中にある。そして、登山・クライミング・キャニオニング・ダイビングなど様々な技術が必要とされる難易度の高い探検である。人知れず名もなき山や僻地に行って穴を見つけて入るという活動の繰り返しで、入り口を見つけなければ探検は始まらない。又、探検すればすごい成果が必ず出るものでもない。
「世界最大、世界最深」という記録的な洞窟を発見できる可能性も低く、社会的な意義や評価も低いかもしれない。それでも、何度も命の危機にさらされながらも、未知未踏の世界を解明する魅力に取り憑かれて30年以上洞窟を探検している。
2018年にラオス現地で情報を得て、未踏洞窟の洞口を発見し、2019年に第1回目の探検を実施。その後、現地での探検許可の取得やコロナ禍を経て、2022年と2024年と併せて計3度の探検を実施した。2024年の探検では、過酷な環境下で体調不良に見舞われながらも、未踏部分をケイブダイビングや人工登攀(とうはん)によって突破し、新たに約550mの未踏箇所を発見した。
【プロフィール】
・1966年生まれ
・愛知県在住
写真提供:𠮷田勝次